「給湯器がある日突然壊れた」という話を聞いたことはありませんか。給湯器の寿命はどれくらいなのでしょうか。古い給湯器を使い続けるとどのようなデメリットがあるのでしょうか。

この記事では給湯器の寿命、古い給湯器を使い続けることのデメリット、交換業者の選び方についてご説明します。いますぐは関係なくても、頭に入れておけばいざ買い替えという時にきっと役に立ちますよ。

給湯器の寿命は?

給湯器の寿命は、全メーカー共通で約10年となっています。

また、約10年使うと、888のエラー表示が出ます。これは故障のエラーではなく、「あんしん点検」という東京ガスで内容を定めた点検を受けてください、というお知らせです。

給湯器を扱う各販売店には、この888エラー表示が出た段階で、新品の給湯器への買い替えを促しているところも多くあります。

10年が目安といっても、まだ壊れていないしまだまだ使えそう、とお考えの方もいらっしゃるでしょう。しかし、10年程度での点検や、買い替えを勧めるのにはワケがあるのです。

古い給湯器を使い続ける3つの危険性

約10年が給湯器の点検、買い替えの目安となっていることはわかりました。しかし、10年経っても壊れていない給湯器もたくさんあります。これらを、使い続けてはいけないのでしょうか。古い給湯器を使い続けることにはどんなデメリットがあるのでしょうか。

①ガスの不完全燃焼

最初に挙げられるデメリットは、ガスの不完全燃焼です。
ガス給湯器はガスを燃焼させた時に出る熱で水を温め、お湯にしています。ガスを燃焼させる際に必要な酸素を適切に取り込めないと、一酸化炭素が発生してしまいます。
一酸化炭素は、人体にとって非常に有害で、死に至らしめることもあります。

古い給湯器を使っていると、内部の部品が経年劣化してきて、正常に働かなくなり、ガスの不完全燃焼が起きることがあるので、注意が必要です。

②火災・爆発事故

続いてのデメリットは、火災・爆発事故です。

給湯器での火災・爆発事故の原因のほとんどは、ガス漏れです。外に漏れたガスが、何らかの理由で火種と接触して火災を起こしたり、爆発を起こしたりします。そして、ガス漏れの原因の大半は、パーツの経年劣化です。

ガス漏れによる火災・爆発を防ぐためには、給湯器のメンテナンスをきちんとする、ガスの匂いがしたら給湯器の使用はやめる、などがありますが、どんなに気をつけていても経年劣化は防げません。

③漏電による感電

漏電による感電も、古い給湯器を使い続ける上でのデメリットです。
少しの感電ならピリッとする程度で済みますが、大きい電流が人体に流れると、身体が麻痺したり、死んでしまったりします。

給湯器の漏電の原因は、給湯器の水漏れや、給湯器内部にたまったゴミ・ホコリ、ケーブル類の劣化などがあります。給湯器は外に置いてあるため、風雨の影響を受けやすく、どうしてもパーツが劣化しやすいです。

古い給湯器を交換すべきタイミング

では、古い給湯器を新しい給湯器に交換するタイミングは、いつ頃がいいのでしょうか。

目安は10年です。

各メーカーがガス給湯器の寿命を約10年としていること、ガス給湯器の交換用部品の保管年限は11年であること、点検を受けるよう求めるエラー表示888が約10年使用していると出るようになることが理由です。

古い給湯器が故障した際にみられる症状

古い給湯器が故障した際にみられる症状には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは代表的なものを5つご紹介します。

不調と合わせてエラー表示が出ている場合は、エラー表示も参考にしてください。

症状①お湯が出ない

給湯器によくある不調のひとつに、「お湯が出ない」があります。

ガスコンロなどに特に問題がなく、キッチンでもお風呂でもお湯が出ない、となると、給湯器の問題である可能性が高いです。

症状②ぬるま湯しか出ない

また、よくある不調に「ぬるま湯しか出ない」もあります。

同時にあちこちでお湯を使っている、給湯温度の設定が低くなっているなどの問題点がないのに、ぬるま湯しか出ないとしたら、給湯器の不調の可能性があります。

症状③追い炊き機能が使えない

給湯器が古くなったことで出てくる不具合のひとつに「追い焚きできなくなること」があります。
追い焚きができない理由はいくつかありますが、そのうちのひとつに「温度センサーが壊れてしまう」ことがあります。つまり、給湯器の温度センサーが壊れ、お風呂のお湯の温度が下がったことを感知できなくなるのです。

症状④給湯器から水が漏れる

特に事情もないのに給湯器から水漏れする場合は、経年劣化の可能性があります。パッキンのゴムの劣化、ナットの緩みなどが原因となり、水漏れすることがあります。

給湯器から水漏れすると、漏電などの被害を引き起こしかねません。水漏れを発見したら、給湯器の使用をやめ、業者に相談しましょう。

症状⑤異臭や異音が発生する

異臭や異音も、給湯器が故障した時によく見られる症状です。

どこかの部品が故障していて、そのせいで異臭や異音がする可能性がありますので、なるべく早く業者に見てもらいましょう。特に、ガス臭さを感じた時には、ガス漏れの恐れがあるのですぐに給湯器の使用を中止し、業者を呼んでください。

給湯器の交換を頼む場合

給湯器の交換を頼む場合、どこに頼むのがよいでしょう。

①給湯器メーカー

給湯器メーカーに頼むメリットは、メーカー直なので在庫状況が正確、大手で丁寧に対応してくれる安心感、交換前のメーカーと同じメーカーの場合は交換作業がスムーズ、などの点が挙げられます。
一方、値引率はあまりなく、実際に作業に来る人は別会社の人であることがほとんどです。

②ガス会社

ガス会社でも、給湯器の交換はお願いできます。
ガス会社に頼むメリットとしては、安心感がある、トラブルがあった時にも対応をお願いできる、といった点です。
一方、デメリットとしては、値引率があまり高くないこと、実際に作業に来る人は別会社の人であることが多いことです。

③ホームセンター

ホームセンターでも給湯器の交換はお願いできます。ポイント制度を導入しているところは、独自のポイントがつきます。また、ホームセンターはショールームを設けているところもあるので、実物を見られるのも大きなメリットです。
一方、商品に関する専門知識のある販売員の方が少ない傾向にあること、工事費が割高な傾向にあることなどがデメリットとなります。

④給湯器専門の交換業者

給湯器専門の交換業者もあります。
給湯器本体と工事費がセットになっているので、価格表示がわかりやすいところや、販売から工事まで同じ会社でやってくれる点が安心です。また、地域密着型で、対応範囲が限られている代わりに、対応が早いことが多いです。
ただし、いい業者もいれば悪い業者もいて、ぱっと見ではどの業者がどうなのかわかりません。自分でいい業者を見極めなくてはならない点はデメリットと言えるでしょう。

給湯器交換業者の選び方の6つのポイント

ここでは、玉石混交と言われる給湯器専門の交換業者を選ぶ際のポイントをお伝えします。給湯器交換業者への依頼を考える時には、必ず複数の業者に問い合わせをして、見積もりを取るようにしましょう。

①施工実績

まず大事なのは、施工実績です。
最近はどの業者も自社ホームページを持っているので、ホームページに掲載がないか見てみましょう。
もしなくても、営業担当者に聞けば見せてくれるはずです。

②施工技術

確かな施工技術を持っているかどうかも重要です。

ガス給湯器の設置には、液化石油ガス設備士、簡易内管施工士、ガス可とう管接続工事監督者、ガス消費機器設置工事監督者、第二種電気工事士など、さまざまな種類の必要な資格があります。これらの資格をきちんと持っているかどうかは、ひとつの目安になります。

③料金

料金は大事なチェックポイントです。
同じ機種への交換をお願いしても、業者によって金額が全然違うことがあります。見積もりの中に何が含まれていて、何が含まれていないのか、よく確認しましょう。

極端に高い業者と、極端に安い業者は要注意です。
極端に高い業者は、不当に価格を釣り上げている可能性があります。また、極端に安い業者は、見えない部分で手を抜いたり、粗悪な部品を使ったりしている可能性があります。

④アフターサービスや保証内容

アフターサービスや保証内容も確認しておきたいところです。
特に給湯器は、安い買い物ではないので、寿命と言われる10年くらいは使うつもりの方が多いのではないでしょうか。業者によっては定期的に点検してもらえたり、メーカー保証プラスアルファの期間の保証があったりするなど、独自のサービスをしているところもあるので、確認するとよいでしょう。

⑤取り扱いメーカーや在庫量

取り扱いメーカーの数や在庫量も確認しておきましょう。
取り扱いメーカーの数や取り扱い機種の数が多い方が、より自分の希望に合った商品が選べます。
また、すぐに工事ができる在庫があるのかどうかも確認したいところです。業者によっては、希望機種が決まってからメーカーに発注をかけるところもあります。そうすると、注文内容決定から工事をするまでに時間がかかってしまいます。

⑥スタッフの対応

忘れられがちですが、スタッフの対応も業者選びにおいては非常に重要です。
こちらの質問にきちんと答えてくれる、応対がきちんとしている業者を選びましょう。
購入するのは給湯器ですが、業者との付き合いはその後も続いていきます。工事までを受け持っている業者ならなおさらです。
どんなに他の条件が良くても、スタッフの対応に疑問を感じる業者は、のちのちトラブルが出てくるかもしれません。

好感の持てる業者に交換してもらおう

給湯器の寿命は大体10年くらいであること、その後も使えるかもしれないが、古い給湯器を使い続けることにはそれなりのデメリットがあることがわかりました。
給湯器は安い買い物ではない上に、生活必需品であるからこそ、きちんとした業者から購入したいものです。
近年は給湯器交換業者も増えています。ぜひ、いろいろな業者に話を聞いて、納得のいくところに交換してもらいましょう。

 

東京水道センターは、給湯器修理や交換の対応実績が数多くあるため、給湯器トラブルだけでなく給湯器に関するお悩みも解決できます。お気軽に相談してみてください。

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