「ある日突然壊れた」とよく聞く給湯器。給湯器の故障の原因にはどのようなものがあるのでしょうか。

この記事では、比較的よく耳にする給湯器の故障例6つと、その原因、対処法についてお伝えします。同じ症状でも原因が違えば対処法も違います。

この記事を読んでおけば、給湯器の調子が悪くなった時に慌てずに済みます。

給湯器が故障する主な原因

給湯器が故障する主な原因には次のようなものが挙げられます。

  • ・経年劣化(寿命)
  • ・給湯器の能力を超えた過度な負担
  • ・給湯器のメンテナンス不足
  • ・凍結、台風などによる破損
  • ・停電などによる電気系統の不具合
  • ・施工不良

同じ症状でも、原因によって対処方法が異なります。

給湯器が故障した時の原因と対処法

ここでは、代表的な6つの故障例と、その原因および対処法について見ていきます。

お湯が出ない

給湯器のスイッチを入れているのに、お湯がでないことがあります。考えられる原因は以下の6つです。

原因①水道管の凍結

まず考えられるのは、水道管の凍結です。寒波などで急激に気温が下がった時に疑います。
水道管が凍結してしまった場合は、自然解凍を待つのが一番です。決して熱湯をかけたりしないでください。急激な温度差に水道管が耐えられなくなり、破損します。

なお、水道管ではなく、給湯器の凍結の場合には、凍結した部位によってはぬるま湯で溶かして対応することが可能です。

A案
凍結した給湯器の対応はこちら

B案

  1. 1.台所の蛇口を、お湯側に傾けて開き、お湯の出る状態にします。
  2. 2.給湯器本体のガスの元栓を閉め、給水元栓を回し、回らないことを確認します。
  3. 3.給水元栓の周りにタオルをまき、ぬるま湯を染み込ませます。
  4. 4.給水元栓が回り始めたら、蛇口を閉じます。

原因②蛇口の故障

お湯が出ない場合には、蛇口の故障の可能性もあります。

蛇口は、ただ金属のパイプを切っただけでなく、先端の排水口にキャップのようなフィルターがついていることがほとんどです。長い間蛇口を使っているうちに、このフィルターに鉄サビなどが蓄積され、排水口が詰まると、水の出もお湯の出も悪くなってしまいます。

排水口のフィルターを取り外し、歯ブラシなどで清掃することで解決するかもしれません。なお、フィルターを掃除する際には、必ず止水栓を締めてから作業するようにしましょう。

原因③停電など、電気系統の不具合

停電した場合も、給湯器は使えません。

まずは、停電なのか、何らかの事情で電気が通っていないのかを確認しましょう。停電しているかどうかは、インターネットで電力会社のホームページをみることで調べられます。給湯器からお湯が出ない原因が停電の場合は、電気が復旧しないことにはどうしようもないので、身の安全を確保した上で電気の復旧を待ちましょう。

電気が復旧した後も給湯器が使えない場合は、他のガス機器が使えるかどうかを確認してください。他のものが使えていれば、問題は給湯器にあると考えられます。

また、ブレーカーも確認してください。給湯器のリモコンと、給湯器本体とが別のブレーカーの管轄になっている場合があります。もしブレーカーが落ちている場合は、スイッチを入れ直してみてください。

給湯器の電源ケーブルが抜けていたり、緩んでいたりする可能性もあります。しっかりと差し直してみてください。ただし、濡れた状態で電源ケーブルを触ることは非常に危険です。台風のあとなどは、十分に気をつけてください。

一度停電したことにより、さまざまな設定がリセットされている可能性もあります。一度リモコン側の電源を落として、再度入れ直してみてください。リモコンにエラーコードが表示されている場合は、取扱説明書を読み、内容を確認してください。

原因④給湯器のメンテナンス不足

お湯は出ないけど、水は出る場合は、給湯器そのもののメンテナンス不足の可能性もあります。
取扱説明書を読み、水抜き栓の掃除などをしてみてください。

原因⑤ガスの元栓が閉まっている

ガスの元栓がしまっていると、ガスの供給がされないので水を温めることができず、お湯が出ません。
お湯は出ないけど、水は出る場合には、ガスの元栓を確認してみてください。

原因⑥給湯器の故障

ここまで述べてきた原因が全て当たらない場合、給湯器そのものが故障している可能性があります。給湯器の故障は一般の方では見られないので、業者を呼んで対処してもらいましょう。

お湯が出ない時の対処法

お湯が出ない時には、以下のことを試してみてください。

  • ・水道管や給湯器そのものが凍結している場合は溶けるのを待つ
  • ・蛇口のメンテナンスをきちんとする
  • ・停電など、電気系統に問題はないかブレーカーを確認する
  • ・給湯器のメンテナンスをする
  • ・ガスの元栓を開く

これらに問題がなければ、給湯器そのものが故障している恐れがあります。
業者にきてもらい、一度点検してもらいましょう。

ぬるま湯しか出ない

ぬるま湯しか出ない、というトラブルもあります。このような場合はどうすればいいのでしょうか。

原因①給湯器の設定温度

給湯器の設定温度が下がっている可能性があります。設定温度をもう一度確認してみてください。

原因②同時給湯

風呂でお湯張りをしながら、キッチンで大量にお湯を流すなど、同時給湯をすると、パワーの弱い給湯器の場合力が足りず、温度が下がることがあります。
同時給湯で大量にお湯を使っている場合には、どちらかを止めてみてください。

原因③循環フィルターの目詰まり

お風呂の浴槽の循環アダプターが詰まっていると、お湯が適温にならない可能性があります。こまめに手入れをして、清潔を保ちましょう。

原因④ガス栓・止水栓が全開になっていない

ガス栓・止水栓が全開になっていないと、パワーが足りず、お湯が適温にならない可能性があります。
ぬるま湯しか出ない、水量が足りない時には、ガス栓・止水栓が全開になっているかどうか、もう一度確認してみてください。

原因⑤水温が低い

寒波がきていたりして、水温が普段よりも低いと、設定温度までの温度差も普段より大きくなります。設定温度を普段よりも高くしてみてください。

ぬるま湯しか出ないときの対処法

ぬるま湯しか出ない時は次のことを試してみてください。

  • ・設定温度をあげる
  • ・同時に使うお湯の量を減らす
  • ・浴槽の循環フィルターを掃除する

これらを試してもやはりぬるま湯しか出ない場合は、給湯器の故障が疑われます。業者を呼び、見てもらうとよいでしょう。

給湯器の水漏れ

給湯器から水漏れしている場合には、以下の原因が考えられます。

原因①経年劣化

給湯器の使用年数が長い場合には、経年劣化の可能性が考えられます。パッキンが緩んだり、ナットが緩んだりして、水漏れに繋がっている恐れがあります。

原因②凍結

寒波などの影響で給湯器自体が凍結した場合、圧力により配管にヒビが入ったり破裂したりしている可能性があります。

原因③初期不良(施工不良)

給湯器の設置から間もないにもかかわらず水漏れが見られる場合には、初期不良の可能性があります。

水漏れの対処法

水漏れについて、考えられる原因を3つ述べました。残念ながらどれも、一般の方が自分で対処できるものではありません。先にも述べましたが、水漏れに気づいたら、なるべく早く業者に来てもらい、対処してもらうことです。

給湯器から異音がする

給湯器から、本来するはずのない異音がする場合は、以下の原因が考えられます。

原因①ガス漏れや不完全燃焼

何かが漏れるような異音がする場合、ガス漏れや不完全燃焼の恐れがあります。
ガス漏れは引火すると爆発に繋がりますし、不完全燃焼は一酸化炭素を排出するので、どちらも非常に危険です。

原因②給排気のトラブル

給気、排気にトラブルがあり、異音がする場合があります。

原因③ファンヒーターの不具合

給湯器の中のファンヒーターに不具合があり、異音がしている可能性があります。

異音がするときの対処法

基本的に、異音がする時には業者に来てもらうのが確実です。
音からだけでは、どこが不調でその音がしているのかを特定することが難しいですし、仮に特定できても一般の人に給湯器の修理は難しいからです。

給湯器から異臭がする

給湯器から異臭がする場合は、次のような原因が考えられます。

異臭の原因

ガス臭い時やニンニク臭い時はガス漏れの恐れが、焦げ臭い時は不完全燃焼の恐れが、酸っぱい臭いがする時は内部で何かが腐食している恐れがあります。

異臭の対処法

どんな臭いにせよ、そのまま給湯器を使い続けるのは危険です。なるべく早く業者に来てもらい、対処してもらいましょう。

シャワーの水圧が弱い

シャワーの水圧が弱い時には、次のような原因が考えられます。

原因①シャワーヘッドの目詰まり

シャワーヘッドが目詰まりしていると、お湯がうまく出ず、水圧が弱まる場合があります。シャワーヘッドの掃除をして、目詰まりを取るといいでしょう。

原因②止水栓が全開になっていない

止水栓が全開になっていないと、十分に水量が確保できず、シャワーの水圧が弱まることがあります。
特に思い当たる節もないのに水圧が弱い、という時は止水栓を確認して見てください。

シャワーの水圧が弱い時の対処法

シャワーの水圧が弱い時には、シャワーヘッドの目詰まりや、止水栓が全開になっているかどうかを確認してみてください。
どちらも大丈夫、という場合は、給湯器そのものの不調の恐れがありますので、なるべく早く業者に見てもらうことをおすすめします。

給湯器の故障を防ぐために普段から気を付けておくこと

給湯器の故障を防ぐために、適正な環境に設置する、普段からメンテナンスをきちんとする、凍結などが起こりそうな時は対策をする、などが挙げられます。
また、少しでも「おかしいかな?」と思うことがあれば、一旦使用を中止して、様子を見ましょう。

給湯器が故障した際の対応

給湯器が故障した時は、なるべく早く業者を呼びましょう。

給湯器は、電気やガスが使われていて、扱うのに必要な資格もたくさんあり、一般の方が自分で修理するのは難しいです。

業者をうまく使おう

起こりがちな給湯器のトラブル6つと、その原因、対処法を見てきました。
ひとつのトラブルに対してさまざまな原因が考えられ、対処法もさまざまであることがわかりました。それと同時に、「自分で原因が突き止められるだろうか?」と感じた方も多いのではないでしょうか。

そんな時は、業者を呼んでしまいましょう。瑣末な問題だったとしても「大したことなくてよかった」となりますし、何か大きな問題があっても「呼んでよかった」となります。

業者をうまく使って、給湯器トラブルを解決し、快適な生活を送りましょう。

 

東京水道センターは、給湯器修理や交換の対応実績が数多くあるため、給湯器トラブルだけでなく給湯器に関するお悩みも解決できます。お気軽に相談してみてください。

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